為替ドル円相場1ドル125円突破! 悪い円安、生活にどう影響してくるのか?

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最近1ドルが125円を突破しました。2022年4月17日時点では126.35円を付けています。これは約20年ぶりの安値となっています。為替なんて興味ない方でもニュースやSNSなどで騒がれてきたので今が円安だと知っているかとも多いと思います。

それでは、なぜこんな急に円安方向に進んでしまったのでしょうか?

米国金利の上昇

円安の主な原因は米国金利の上昇です。

今、米国では急激な物価の上昇(インフレ)が問題になっています。

コロナ禍で停滞していた経済ですが、欧米ではすでにコロナ禍から脱却しコロナ禍前のような経済活動が再開されているのです。そうなってくると今まで控えていた外出、外食、などが行われ需要が急激に増加していきます。需要が上がれば物の価値は上昇していきます。それに加え、今は半導体不足、人手不足、戦争による資源価格の高騰なども相まって、とてつもないインフレになっているのです。

4月12日に発表された3月の米国消費者物価指数(物価が去年と比べてどれくらい上がっているかの指標)は前年比8.5%の上昇でした。去年の数値が2.6%の上昇とのことで去年と比べてもとてつもない上昇率だということがわかります。

そのため米国の中央銀行FRBはドルの金利を上げてこの物価高を抑え込もうとしているのです。金利を上げれば、車や住宅を買う際の金利が上昇するので、供給を抑えることができます。逆に金利を下げれば、お金を借りやすくなるので、供給を上昇させることができます。金利についてはまた別の機会に記事にしたいと思います。

米国金利が上がると、ドルを銀行に預けるだけでもらえる利子が(金利)増えるので、皆ドルを買いドル高になったのです。

日本の対応は?

それでは日本の金利はどうなっているのでしょう?財務省も「悪い円安」と言及しており、日本政府としてもこの円安をよくとらえてないことがわかります。日本も金利を上げれば円安は治まるんじゃないんでしょうか?

ですがそう簡単に日本は利上げすることができないのです。

米国に比べ日本は今だコロナ禍から脱却できていません。その結果需要も増えておらず米国では8.5%も上昇していた物価指数も日本は2月データですが、0.9%と米国と比べて全然上昇しておりません。

この状態で利上げを行うと物価がマイナスに転落してしまう可能性があります。そうなるとデフレという状態に突入してしまいます。本格的な景気後退が起こります。そのため日本はこのままマイナス金利を維持せざる負えなく、米国との金利差は拡大していくばかりなのです。

まとめると、欧米の国では経済活動が再開され、需要に対して供給が少なくまた、半導体不足、資源高によって急激なインフレ(物価上昇)が発生。急激なインフレを抑え込むためにFRBが利上げを実施。米国の金利が上昇することで、日本の金利との差が拡大しドル買いが加速した結果急激な円安に向かっているのです。

円安で起こる影響とは?

この急激な円安で私たちにどういった影響が出るのか記載していきたいと思います。

まず、輸入品の値段が上がります。日本は多くの資源や食料品を輸入しているので家計に大きく影響してくると思われます。物価は上昇するのですが、資源価格高騰による物価上昇なので賃金は上昇せず、ただ物価だけが上昇する、スタグフレーションという状態に陥ってしまうのです。

今のところこの円安が止まる目処は立っておりません。さすがに130円、140円と進んでいけば日銀も介入せざる負えないでしょう。米国側も自国の製品が売れなくなるので手を打つと思いますが、それがいつなのかは誰にもわかりません。

今現状で私たちにできる対抗策は、円だけでなく他国の通貨も持つことです。銀行に貯金している方は、その貯金の一部をドルに換える等で資産を分散することで急激な円安でも資産を守ることになります。

今、日本円で貯金している方がほとんどだと思います。この円安を機に少しずつ円以外の資産、ドルや金などの資産にも分けて資産を分散することを検討してみてはいかがでしょうか?

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